ついに素材選定の工程も、進化するフェーズがやってきた
前回の記事 では、
ChatGPTをはじめとした生成AIが、
「実務で使われはじめている」というケースについて、
実際の制作現場から見える目線で記事を書きました。
今回は、さらに我々Webデザイナー・Web制作者寄りの話になります。具体的には、
Adobeが満を持して昨年登場させた画像生成AI「Firefly」について、書いていきたいと思います。
実際にどんなプロンプトでどんな画像が生成できるか?などについても記載していきますので、一読してもらえれば嬉しく思います。
早速、プロンプトと生成される画像の例
早速ですが、プロンプトと、それによって生成された画像を見てください。
プロンプト:「シズル感のある朝採り野菜の物撮り写真」
プロンプト:「東京の人気スイーツ店、並ぶエクレアとシュークリーム」
プロンプト:「投資で資金を増やすことを植物の成長に例える」
(※無断転載防止の観点から、画像に薄く透かしを入れていますが、実際に生成される画像には入りません)
上記、すべて、 Adobe Firefly(Webアプリ版) の
「テキストから生成」機能 を使ってプロンプトを入力して、ジェネレートした画像になります。
見てお分かりの通り、もはや充分にWebデザインの素材として使えるクオリティだと思いませんか?
特に、ラフ段階の仮画像として等なら、もうじゅうぶん満たすクオリティなんじゃないかと。
Adobe Firefly Image 3(2024.04.23発表)モデルは、従来と一線を画すクオリティ!!
1つ前のセクションで実際にプロンプトと並べてお見せした通りなのですが、
今年発表されたFireflyの新しい生成モデル、「Firefly Image 3(プレビュー)」、使ってみて驚きました。
クオリティは1つ前のセクションに掲載した通りなのですが、
特に
・野菜や果物、動物といった自然物
・料理などの食べ物
・学習している対象とぴったり合致する様なプロンプト(上のセクションの、コインと植物の画像の様な、ストックフォト素材でよく見かける様な表現のもの)
↑こういった画像を生成する際のクオリティと精度の高さに驚かされました。
プロンプトによっては思い通りの結果が出力されないケースももちろんあるのですが、
そこは何を使っても同じことでして、「自分自身が優れたプロンプトを用意する」、現状はこれに尽きます。
ストックフォトサービスで探すか、Fireflyで生成するか?
前述の通り、「Firefly Image 3(プレビュー)」のテキストから生成機能は、もはや実務で使えるレベルの画像が生成できる認識です。
これまでのWebデザインのワークフローというのは、
1.サイトの要件ヒアリング
2.重要な点の言語化
3.ワイヤーフレーム作成
4.ラフの着想
5.レイアウト、個々のセクションに要素の仮配置
6.各セクションのディティールを上げてデザインカンプとして仕上げる
7.初稿として提案
8.FBがあればそれを反映
9.再稿として提案
10.以降8、9を繰り返す
11.デザインFIX
↑だいたいこんな流れだと思います。
(案件によっては、2〜3の工程に至るまでに、依頼先とのお打ち合わせの中で
「ムードボード」を提案するケースもあります)
ここの3〜5の工程のどこかと並行して
「画像素材の選定」
というフェーズが存在しているわけですが、これが意外と時間がかかる工程だったりするわけです。
ストックフォトサービスをいくつもいくつも巡り、
なかなかクオリティを満たす画像に辿り着くまで、時間を要するケースが多かったりします。
もちろんプロンプトによっては思い通りの結果が出力されないケースもあるため、
全てのケースで100%「Firefly」で生成するのが良いわけではありませんが、
現段階でこれだけのクオリティの高い生成画像が担保されているとなると、今後数年たてば、
ほぼ確実に
「ストックフォトサービスを巡りに巡る様な、画像素材の選定」
というフェーズに進化が訪れる、そんな気がしています。
※なお大きな留意点として、「Firefly Image 3(プレビュー)」を使った画像生成は、
この記事を書いている現段階では、Adobeの規約を読む限り
Webアプリ版のAdobe Firefly
からの画像生成のみが商用利用可能となっています。この点には充分お気をつけください。
Fireflyなら商用利用可能な画像を安心して生成できる
この点もとてもWebデザインで画像生成AIを導入するにあたって重要な点なのですが、
このセクションのタイトルの通り、「Firefly」は、そもそも
商用利用を前提として開発されているAdobeご謹製の画像生成AIです。
※なお何度も書くのですが、大きな留意点として、「Firefly Image 3(プレビュー)」を使った画像生成は、この記事を書いている現段階ではAdobeの規約を読む限り
Webアプリ版のAdobe Firefly
からの画像生成のみが商用利用可能となっています。この点には充分お気をつけください。
この 公式ページ にも記載がある通り、
「クリエイターにとって、実用面でも有益であること」
Fireflyは、学習にAdobe Stock画像、オープンライセンスのコンテンツ、一般コンテンツを使用し、安全に商用利用できるよう設計されています。(引用:https://www.adobe.com/jp/products/firefly.html)
↑という事でして、学習対象は全て権利関係をクリアしており、
権利関係がとても曖昧な他の画像生成AIと比べて
「実案件での使用についても、安心して利用ができる点」が
我々Webデザイン・Web制作に携わる者にとって
大きな導入理由のひとつになり得ますよね。
この記事のまとめ
この記事でご紹介した通り、
Adobeが満を持して昨年登場させた画像生成AI「Firefly」がもつポテンシャルは
「Firefly Image 3(プレビュー)」の登場によって、
相当高いものとなっています。
なお本文中にも書きましたが、
大きな留意点として、「Firefly Image 3(プレビュー)」を使った画像生成は、この記事を書いている現段階ではAdobeの規約を読む限り
Webアプリ版のAdobe Fireflyからの画像生成のみが商用利用可能となっています。
上記の点にはよく気をつけながら
適宜、皆さんもWeb制作にたずさわる際、役立ててみてはいかがでしょうか。
この記事が皆さんのより良いWeb制作体験につながれば、嬉しく思います。
※この記事は内容の品質向上を目的に、随時更新を行う場合があります。